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  • 執筆者の写真Toshiko Kamada

走れ!私の命!


<燃えつきるときまで>


風が吹き、大きな厳しい風が吹き

幼いわた雲と小さな神話の世界が逃げていく

すこしだけぐんじょうっぽい空間に

この世で一番白い光が大声で笑っている

底のない大海と底のない成層圏の間の限りなく小さな一点

その向こうを見るために涙しながら走りつづければ

純銀もざいく私の涙、ひかってちって海の真珠

人魚になれば愛せるけれど、はてしない矛盾が胸をかけめぐるから

私は波の上を涙しながら走ってゆこう

あの遠い一点のむこうにしあわせという鳥が羽を休めているかもしれないから

あいいろの天に星がかがやくときのせつなさも

こまかい雨のベールにつつまれたときの孤独も

この胸の命のときめきがはげましてくれるだろう

走っても走っても近づかない永遠のはての一点

私は求めつづける

そして夢みる

そこで燃えつき、この命、この世で一番白い光にささげることを

走れ!私の命!


*****


15歳の私が中学の卒業アルバムに残した詩だ

45年ぶりに取り出して、タイプしてみる

思春期の感傷を落としてみれば

今も魂の叫ぶ声はそんなに変わらないな


燃えつきることへの

命を全うすることへの欲求


生の息吹、命があることの使命に突き動かされて

進みつづけることで

必ず全うされるのだと信じる気持ち


何かはわからなくても

今の自分より高次のそれに命を捧げたいという気持ち


今の私は、その気持ちに

当時よりもっともらしい説明をすることはできるけど

説明して何になろう


私をここまで走らせてくれた

15歳の私の叫びにありがとうと言おう


そして今日も言おう

走れ!私の命!




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