Toshiko Kamada
やわらかい心
ダイアログ・イン・ザ・ダークという暗闇のエンターテイメントに参加させてもらった。内容は未体験の方のお楽しみのために内緒として、そこで感じたたくさんのことの中のひとつが、人と人の境界線のあいまいさだ。「私」と「あなた」の境界線が、暗闇の中で溶けてゆき、数人の意識がひとつの生命体のように感じる。視覚というひとつの感覚をのけてみるだけで「わたし」の心はいつもと違う動きをし始めたが、それはひろがりやつながりという方向に向かった。「私」を越えてグループの中へとやわらかくひろがりでる心。
子供の頃には、心はそんな風にそっと「私」からひろがりでて、もっと自由に遊びまわっていたような気がする。それがいつしか「私」が固く確立されていったのか、「私」から離れることは恐れを伴うようになって、「この私」にこだわりすぎたあまり、いろんなことが難しく大変になった。そして考えすぎて「私は一体誰なのか?」わからなくなった。
のちにアバターコースに出会って、再び感じることを自分に許すとともに、私は、あのやわらかい心、出たり入ったり自由にできる心を取り戻していった。そして今度はそれを意図的にうちにも外にも行き来する方法を学んだ。やわらかいけど、流れるままではなく、意図を持った弾む心。自分と世界を動かし、次の瞬間を形作れる心。私の世界は格段と色鮮やかになった。
ところで、暗闇のエンターテイメントが終わる頃、暗闇ですごした特別な心の経験のせいか、目を閉じても意識の中はとてもカラフルな豊かな景色が拡がっていた。
心の不思議に目を凝らし、耳を傾ける方にはこの本を心からお勧めします。
「リビング・デリバレイトリー 自分が決める人生の生き方〜アバターの発見と開発」(ハリー・パルマー著)