Toshiko Kamada
あるアバター体験記 No.3 アバター後
”生きたまま生まれ変わる”
誰かがアバターの経験をそんな風に表現していたが、私にとっては、その言葉がぴったりだった。
そう、生まれ変わった私。家に帰った私の胸に飛び込んできた子供達が、そのことをまっすぐに感じているということが、私にも感じられた。
何よりも、子供たちと過ごす時間が楽しく豊かで美しいものに変わった。
自分の人生を、今まさに生きていることの素晴らしさを、この子たちと分かち合えている。もう今やそれだけで、私と私の人生にはすでに存在価値があった。
それ以上は、何が起こっても、プラスアルファのお楽しみだ。
何か足らないものを埋めたり、探したりすることから、人生は面白いことに満ちた感じて経験する冒険に変わっていった。
だって、感じることと、創ったり消したりすることができるんだから、ほかに何がいるというの?
「こんなこと、私一人で知っておくわけにいかない!」
3ヶ月後、私はアバターを教えるライセンスが取れるというマスターコースを受講するために、単身アメリカへ飛んだ。
しかし、そこでは、またまた衝撃の経験が待ち構えていた。
初めてのアメリカ、英語もわからない中、世界中の人と意識が繋がって行くうちに、
「うわあ、本当に人がいるんだ、他の人というものが存在しているんだ!じゃあ、今まで人だと思っていたものは、一体なんだったんだあ!」と驚く。
帰りの飛行機の窓から見えるこの星の景色を見ながら、自分は日本人というよりも、地球人なのだと初めて実感していた。
そこからは、自分にとっての新しい課題が次々にたくさん現れた。
それは同時に、アバターの練習(ツール)を使う機会でもあった。
使うたびに、ツールがどんな時にも使えることと、自分自身への信頼を深めていくことになる。使えば使うほどに、自分も世界も、もっと味わい深く、好きなものに変わっていくのだった。好きな人が増えていった。
この世界だけでなく、今見えている世界以外の未知の世界、そこにどんなものを創り出すのかを、私たちが決めることができるのだ、というものすごい可能性。それを未来の世代に渡せるのだという可能性。私たちみんなで、一緒にできることがこんなにもたくさんあるのだ。
アバターを知ってからも、ここまでの道すがらには、「なんでこんなことが起こるんだ?」「もうこれ以上は無理だ!」という瞬間もたくさんあったし、想像もしなかったような、素晴らしい瞬間を経験することもたくさんあった。辛いことも、悲しいことも、後悔することもあったし、喜びにうちふるえることもあった。
しかし、どんなことでも経験できる、という自信と、実際に経験したその味わい深さ、豊かさ、それらが増し続けていることは確かだ。
そして、個人的にも集合意識的にも遭遇する、様々な体験を通り抜けるほどに、未来を良いものにしていく力は、私たちの手の中にあるのだという信頼が増している。
このシンプルなツールは、人類にもっともっと使われたら良いと思う。
世界中のどこかにいる、これを探している人に届きますように。
アバターに出会って、25年目の秋に。(終わり)